Baker Street Bakery > パン焼き日誌

ある翻訳家・翻訳研究者のサービス残業的な場末のブログ。更新放置気味。実際にパンは焼いてません、あしからず。

アリス

青空文庫『不思議の国のアリス ミュージカル版』公開記念、アリスの新挿絵特集

本日24日、当ブログで翻訳を進めていた拙訳『不思議の国のアリス ミュージカル版』を青空文庫にてクリエイティブコモンズつきで公開致しました! 図書カードはこちらからどうぞ!そこで公開記念として、いつもやっておりました挿絵紹介のスペシャル版をお送…

翻訳メモ4

ミュージカル版のうたには、原典に最初からあるものと、改めて付け加えられたものがあります。今回の翻訳は Lovett, Charles C. (1990) Alice on Stage. Westport: Meckler からなので、初演時のテクストなのですが、のちに3曲追加されているみたいです。ど…

ミュージカル版不思議の国のアリス うた部分(草稿)

〈うた:妖精たちのコーラス〉 お眠りなさい、くるくるくる 小鳥と蜂の子守歌 こんな森でも大丈夫 この木の下は、妖精たちのたまり場だから お眠りなさい、アリスちゃん 小川と山の魔法歌 寝てるあなたを守るから 起きたらそこは、不思議の国の夢のなかだよ

翻訳メモ3

前回からだいぶあいだが空きましたが、今回は第二幕の終わりまで。残るは詩だけで、そのあとガードナーの注釈なんかを総チェックして反映させて、推敲して完成、という感じでしょうか。個人的な不満は、チードルダンとチードルデーの会話をもっと遊びたかっ…

ミュージカル版不思議の国のアリス 第二幕(草稿)

◆幕間◆第二幕「鏡を抜けて」・第一場 鏡の間アリス 鏡の国へすり抜けられないものかしら。そうなれば素敵、きっときれいなものもあってよ。そうよ、そんなふりをしてみれば! この鏡は頑張ればすり抜けられるの。鏡はふわふわした薄いガーゼってことにして、…

ルイス・キャロルのために(要約)

あらかじめ言っておきますと、キャロルはロリコンでもペドフィリアでもありません(参照1,参照2)。その立場から危惧するのは、MIAUによる「児童ポルノ禁止法改正案緊急声明についての解説」の3の項に書かれている可能性です。個人的には、児童保護を建…

ミュージカル版不思議の国のアリス 第一幕後半(草稿)

【つづき】 全員が離れて踊っている。弥生ウサギと帽子屋はテーブルを片づけ、クラブの2と5と6が出てくる。そのあとハートのキングとクイーン、さらにジャック。つづいて他のカードとアリスもやってくる。――列になってぐるぐると舞台上を回るが、やがて2…

翻訳メモ2

1ヶ月ぶりの草稿更新です。このままこのペースで行けるかなあ……行けるといいなあ。筆が乗ってしまうとさくさくと進むんですけどね。予定とはなかなかうまく行かないもので、困ったものです。やはりアリスの翻訳で誰もが苦しむのは言葉遊びでしょう。確かに…

例の法案について

(いったん出しましたが、もっと考えたいこともあるので、というか自分で読んでて不適切だなあと思うところがあったので引っ込めます。あしからず。)

翻訳メモ

始めると宣言してからずいぶん経ちましたが、ようやく全体の1/4の草稿ができあがりました。難しいですよね、どうしても。投げ出したくなるくらいに訳文が書けなくなります。歌の方に関しては、台詞が全部終わってからということで。これまでなされてきた…

ミュージカル版不思議の国のアリス 第一幕前半(草稿)

不思議の国のアリス ミュージカル版 ALICE IN WONDERLAND: DREAM-PLAY ルイス・キャロル&ヘンリ・サヴィル・クラーク Lewis Carroll & Henry Savile Clarke 大久保ゆう訳 第一幕「不思議の国のアリス」 時は秋、場所は森。アリスがある木の根本で眠っている…

アリス翻訳中

ミュージカル版アリスはようやく翻訳を開始しました。まだ草稿を上げるまでには至っておりませんが、特にこれといった問題もなく順調に進んでおります。むしろ大変なのは、「和風アリスにしたい」という翻訳者の欲望を抑えることの方です。人にはあんまりよ…

まだ始められない

何だか最近はアニメのことばかり記していますが、アリスも水面下で進んでおります。訳す際のアリスのキャラづけもだいたい固まっていて、あとは参考文献の下読みを終わらせるだけなのですが、まだもう何冊か残っている状況でして。個人的に忙しいというのも…

『不思議の国のアリス』(1886年ミュージカル版)の翻訳開始予告

『不思議の国のアリス』と言えばルイス・キャロルの有名な文学作品ですが、実は一般的にあまり知られていないもののキャロル存命中に作者自ら関与したミュージカル版『アリス』なるものがあります。詳しくは英語版ウィキペディアに載っていますが、今年はこ…