Baker Street Bakery > パン焼き日誌

ある翻訳家・翻訳研究者のサービス残業的な場末のブログ。更新放置気味。実際にパンは焼いてません、あしからず。

コナン・ドイル/詩「夜の声」

"Night Voices" by Sir Arthur Conan Doyle

お父さん、お父さん、あのささやき声は誰のもの?
 森のなかでささやくのはだあれ?
  そよ風が木々のあいだで
   ため息ついてるだけだって言うけれど
ぜったい誰かが森のなかでささやいてるよ

お父さん、お父さん、あのつぶやき声は誰のもの?
 夜のなかでつぶやくのはだあれ?
  波が海岸で
   ざわめいているだけだって言うけれど
ぜったい誰かが夜のなかでつぶやいてるよ

お父さん、お父さん、あのぼくらを笑う声は誰のもの?
 谷間でくすくすと笑うのはだあれ?
  ねえ、お父さん、行こうよ
   明かりの火も弱くなってきたんだから
それにぜったい誰かが谷間で笑っているよ

お父さん、お父さん、教えてよ、何を待っているの
 教えてよ、どうしてドアをじっと見るの
  もう暗いし遅いし
   でも座ったままびくともしないで
ドアをにらんで、にやりとするなんて

 

(この詩にこんな絵を描いてらっしゃる方も)
Night Voices, by Sir Arthur Conan Doyle | Behance