ボイジャー『マガジン航』
いささか旧聞に属することですが、いろいろとお世話になりましたボイジャーさんのサイトで『マガジン航』という「電子メディアと本の未来」について考えるウェブマガジンが始まっています。
同様の趣旨で始まった『季刊・本とコンピュータ』が休刊してもう4年も経ちますが、実は「本コ」当時はまだ私も少年でしたのでほとんど議論を追えておらず、最近になって図書館から借りるなどして読み返しております。
もちろん当時も「電子メディアと本の未来」に興味があったのに、どうして読んでいなかったのだろうと自分を振り返ってみると、どうやら単純に購読するだけのお金がなかった(あと近くの図書館が購読していなかった)ことと、「本コ」と青空文庫のあいだにちょっと距離があったからじゃないかな、というふうにも思います。と言うと語弊がありますが、一般化すると電子アーカイヴに対して「本コ」があまりつっこんだことを議論してなかった、ということなのかな、と。あるいは思春期にインターネットとパソコンが登場した少年の「本」観と、紙の本と出版社主義的なものを軸とした「本コ」が、当時すでにずれてしまっていた、とも考えられるかもしれません。
どうしてこんなエントリを書いているかと言いますと、私自身「本コ」や「航」に対して「興味があるはずなのにどこか関心がずれている」と感じてしまう自分に、戸惑いを感じているからなのだと思います。
いや、おそらくは(仕方ないのだけれど)徹底的な「中の人主義」(業界視点)というものが、一般ネットユーザや新しい書き手という「別の現場」を見逃しているからこそ、かつての少年は違和感を感じていた(いる)のかもしれません。
非常に申し訳ないながら、今の『マガジン航』は本コと同じにしか見えない(同じ轍を踏んでいる?)ところがあり、それゆえにどうか本コを乗りこえてほしいと激励するものであります。