著作権とコンテンツのこと
観客の視聴意欲や購買意欲を殺いでしまうような著作権・知的財産権の主張は全くの本末転倒だと思うのです。
そんなに自分の作品が惜しいならTV放送もDVD販売もやめて美術館にでも陳列しておけっていう。
山本寛さんのような作り手からそうおっしゃっていただけると、非常に心強いところがあります。
私も知らぬ間に著作権分野の評論家となり、昨年はモノを書いたり他人様の前でお話しさせていただいたりするようになったわけなのですが、もともとは青空文庫というコンテンツを扱う団体の一員であり、さらにはコンテンツビジネスのなかで制作者として関わるプロの翻訳家でもあり、最近はコンテンツビジネスのアドバイザー的なこともしているので、昔のように単純視聴者でもなくなり非常に立場としては微妙になりつつあるのですが。
そんななか、直感的もしくは理性的に「著作権」の問題について理解していただける作り手がいらっしゃるというのは、評論家としてもアドバイザーとしてもとても嬉しいです。
著作権の問題になると、どうしても「保護と利用」というごくごく素朴な「権利者と利用者」という二元論で語られがちなのですが、私が口をすっぱくしていつも言っているのは、もはやそんな次元にいたらコンテンツなど扱えないし、モノも作れないし、商売をするなどもってのほかだということです。
続きを読む新刊のこと
あ、サイトのトップにも書きましたが、シャーロック・ホームズ短編集のオーディオブックがplaywalkという携帯再生端末に入って発売中です。一本ずつ買うよりもかなり割安なので、どうぞよろしく。
声優さんの演技や脚本の総合的な出来という意味では、個人的には「瀕死の探偵」「蒼炎石」「まだらのひも」のみっつをおすすめ致します。「瀕死の探偵」はハドソン夫人を麻上洋子さんにやっていただけて本当に良かったです。家宝にします。シャーロキアン的には「グローリア・スコット号」でしょうか(暗号の翻訳を頑張ったので)。
他のオーディオドラマシリーズも(脚本は仕上がってるのですが)早く出ないかなあ、と待ちの姿勢。こういうとき脚本家(&翻訳家)は何も出来ないのでつらいですね。