Baker Street Bakery > パン焼き日誌

ある翻訳家・翻訳研究者のサービス残業的な場末のブログ。更新放置気味。実際にパンは焼いてません、あしからず。

ミュージカル版不思議の国のアリス 第二幕(草稿)

◆幕間◆第二幕「鏡を抜けて」・第一場 鏡の間アリス 鏡の国へすり抜けられないものかしら。そうなれば素敵、きっときれいなものもあってよ。そうよ、そんなふりをしてみれば! この鏡は頑張ればすり抜けられるの。鏡はふわふわした薄いガーゼってことにして、…

ラジオドラマ版シャーロック・ホームズ発売のお知らせ

ホームズでラジオドラマといえば、すぐに思いつくのはベイジル・ラスボーンとナイジェル・ブルースがコンビを組んで1940年代にアメリカで放送されたラジオドラマシリーズですが、その日本語版がパンローリングさまから発売されることになりました!)" ti…

シャーロック・ホームズ声優一覧

ラジオドラマ版ホームズ刊行記念に、ちょっとした資料を。私も一応(?)研究者なので、何かをやるときは先例を色々と見るのですが、ホームズの仕事をやっているときにも先人のものから勉強させていただくことは多いです。これまでの「ホームズ&ワトソンの…

ラヴクラフト朗読シリーズに特設ページできました

パンローリングさんの直販サイト「でじじ」に、H・P・ラヴクラフトの朗読シリーズを特集する特設ページができた模様です。 【特設ページ】特設ページのバナーや書影にある絵は、SF・ホラーファンには「今日の早川さん」でおなじみのcocoさんに書いていた…

アニメを随筆してみること 3

随筆というのは、かなり個人的な営みではあるのですが、その随筆の裏にある筆者というのが必ずしも本当の自分である必要はないんじゃないか、と思ったりもします。

『エヴァ』(…)→『School Days』(笑)→『ヱヴァ』(!)――主人公と私とアニメを見る場所

アニメを単なる映像だけのものとして見るのはひとつの見方だと思うのですが(ニュークリティシズム的に)、個人的にはどうしても、作る人・見る人がいて、そして時代やら時間やらが流れていて、そんでもって見る場所もあるということを少なからず意識してし…

H・P・ラヴクラフト「クトゥルー神話朗読シリーズ」3作品配信開始

引き続き刊行中のクトゥルー神話朗読シリーズですが、このたび3作品の配信が開始されました! 「ダゴン」 「ナイアルラトホテップ」 「宴」 いずれもパンローリングさまの直販サイト「でじじ」にて、朗読データをダウンロード購入することができます。今後…

アニメを随筆してみること 2

随筆のいいところは、評論や批評とは違って、その流れや内容そのものが破綻していても構わない、というところです。つれづれなるままに書くからこそ、何かが残ったり何かが生まれたりします。首尾一貫してなくてもいいということは、主題についてもそうです…

『ヱヴァ序』と『サマーウォーズ』における居心地の悪さ

こういうことを書くのは気がすすまなくて、人様に読んでもらうものなのかどうかもわからないのですが、思いの外みなさん違和感を口にしてらっしゃるので、それに乗っかって私も一個人の戯れ言として。

ふぁんた時間『あのときの王子くん』再公開!

以前、『おむす☆びー』(ふぁんた時間)にて公開されていた、声優・恒松あゆみさんによる朗読『あのときの王子くん』が、本日よりふぁんた時間Podcastにて再公開されることになりました! 今日は第一回目の配信です。 「ぼくのエンジン」の中のなにかがこわ…

アニメを随筆してみること 1

以前、「アニメ評論/批評を書いてみること」という一連のエントリを書きましたが、今度はその随筆バージョンです。たぶん誰にも期待されていないような気がするのですが、あれはあれで結構書くのが大変なところがあるので、もっとざっくばらんや、直感に近…

エンドレスエイトと意味飽和

ようやくエンドレスエイト終わりましたね。色んな意味でネットでは盛り上がっていたみたいで、今年の夏は「エンドレスエイトごっこ」(8月最後の2週間にこれでもかと予定を詰め込む)をする人が出てくるんじゃないかと思ったりもするのですが、さて。8回…

アニメとベンヤミンと翻訳

サイトを巡回していると、id:tukinohaさんのところで、翻訳とアニメに関して触れた記事を発見したので、翻訳研究の専門家として反応してみます(勝手にやっちゃって申し訳ございません、tukinohaさん。どうかご容赦を)。今回は当該エントリをご参照しつつお…

夏のアニメと青空文庫

芸術・娯楽作品のなかには、時として文学作品などからの引用がありますよね。そういったものが古く著作権も切れている場合は、ぜひ青空文庫に行ってみてください。その作品があるかもしれません。たとえばこの夏のアニメだと、私もフジテレビオンデマンドで…

ブリタニカ百科事典・第十一版

せっかくなので、引き続きパブリックドメインの話でも。最近、研究のためにシャーロック・ホームズみたいに自分用のインデックスを作って、事項を整理しているのですが、そのときの元データとしてよく使うのが現在パブリックドメインになっている『ブリタニ…

『オトメン(乙男)』TV放送開始

ドラマ『オトメン(乙男)』が始まりましたね。とても上質のコメディで、たいへん楽しく視聴いたしました。ここをご覧の皆様はそうでもないかと思いますが、私は文章や翻訳からだけでは、女性に間違われることが多いです。実は本名も顔も探せば見つかるので…

「シンデレラ―ガラスのくつのものがたり―」、デコメサイト『デコデコ★アニメ』にて配信開始!

クリエイティブコモンズライセンスで公開している童話「シンデレラ―ガラスのくつのものがたり―」ですが、本日より携帯向けデコメサイト『デコデコ★アニメ』さまのコンテンツ「デコデコ★小説」の第一弾として配信されることになりました。デコメをご存じない…

『あのときの王子くん』、『ヨムヨム7』内の携帯向け小説コーナー「ヨムヨム文学」にて配信開始!

引き続きお知らせです。ネット上の更新情報を集める携帯向けサイト『ヨムヨム7』内の小説コーナー「ヨムヨム文学」にて、拙訳『あのときの王子くん』が現在配信中です。ケータイ小説のフォーマットのまま、サン=テグジュペリの挿絵もすべて収録されており…

『あのときの王子くん』ラジオ放送のお知らせ(再掲)

ついにラジオ放送の第一回目が今週末に迫りました。朗読してくださるのは日本テレビの井田由美さんで、主として物語の後半部分からお読みになるとうかがっております。 ラジオ日本 「夜の図書室」 毎週木曜日よる11:30〜0:00 7月30日 サン・テグ…

『死ぬ死ぬカミルたん』の反響

みなさま、ウェブ拍手やメールでの感想等々ありがとうございます。なかなかのご好評をいただけたようで、たいへん励みになります。ウェブ拍手のコメントについては、ひとつひとつお返事を差し上げられませんが、いつもありがたく拝読しております。暖かいお…

国立文楽劇場『天変斯止嵐后晴』

大阪の国立文楽劇場でただいま公演中の『天変斯止嵐后晴(てんぺすとあらしのちはれ)』を鑑賞してきました。原作はシェイクスピア最後の作品『テンペスト』で、その話を日本に置き換え、人形浄瑠璃で演じられているわけですので、つまり、これもまた翻案と…

『川の光』平川哲生監督Twitterコメンタリまとめ

今日NHKで再放送されたアニメ『川の光』ですが、監督の平川哲生さんがTwitterで放送中にリアルタイムでコメンタリをしてくださったので、ここにまとめて転記いたします。わかりやすいように、その発言に通し番号を振って、さらにアニメが始まって何分後のも…

ルイス・キャロルのために(要約)

あらかじめ言っておきますと、キャロルはロリコンでもペドフィリアでもありません(参照1,参照2)。その立場から危惧するのは、MIAUによる「児童ポルノ禁止法改正案緊急声明についての解説」の3の項に書かれている可能性です。個人的には、児童保護を建…

『死ぬ死ぬカミルたん――自殺志願の吸血鬼』

「クリエイティブ・コモンズ 表示-非営利 2.1 日本 ライセンス」にて公開 上記のライセンスに従って、非商用目的に限り、著者に断りなく自由に利用・複製・再配布することができます。また同様の条件で二次創作することもできます。

翻案について

翻案による作品というのは、今でこそ少ないですが、昔はよくありました。明治大正期の小説の少なからぬものが実は「翻案」だったというような話もありますし、昭和も中期頃までは児童文学における翻案作品はいわゆる「完訳」よりも主流でした。ところが翻訳…

(メモ)『川の光』再放送

7月20日(月) NHK総合 午前8:35〜9:57再度見て、ちゃんとした感想を記したいです。ちなみに7月20日って私の誕生日だったり。着々と30代へと近づく。うひゃあ。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』雑感

先週末『ヱヴァ破』を見ました。豊洲で。その感想というものは、奈須きのこさんのこのコメントにすべてが言い尽くされているように思います。 2009/6/27 : 一言だけ。(きのこ)■ 色々たてこんでいるのに、吐き出しておかないと死にそうなので一言だけ。 エ…

『あのときの王子くん』ラジオ放送のお知らせ

公式サイトでのアナウンスもなされているので、こちらでも告知を。このたび、拙訳『あのときの王子くん』が今月末、ラジオにて朗読されることになりました。詳細については、以下の通りです。 ラジオ日本 「夜の図書室」 毎週木曜日よる11:30〜0:00…

ミュージカル版不思議の国のアリス 第一幕後半(草稿)

【つづき】 全員が離れて踊っている。弥生ウサギと帽子屋はテーブルを片づけ、クラブの2と5と6が出てくる。そのあとハートのキングとクイーン、さらにジャック。つづいて他のカードとアリスもやってくる。――列になってぐるぐると舞台上を回るが、やがて2…

翻訳メモ2

1ヶ月ぶりの草稿更新です。このままこのペースで行けるかなあ……行けるといいなあ。筆が乗ってしまうとさくさくと進むんですけどね。予定とはなかなかうまく行かないもので、困ったものです。やはりアリスの翻訳で誰もが苦しむのは言葉遊びでしょう。確かに…